乗るしかない このニューウェーブに
ファンのくせして、私が所持しているのはアッポーミュージックのMP3のみ。それはまずいと、ロバート・パーマーファンたるもの!と、せこせことCDやLPを集めている日々です。
そしてその音源を集める目当ては「解説」だったりします。有識者・先人達の知恵、大事。
唯一某CDショップの店頭においてあった、こちら。
先日購入しました。解説を読むと…
パーマーはアメリカで評判がよかったストレートなロック路線、レゲエなど南国的で解放感のあるスタイルを捨てて、当時イギリスで流行していたニュー・ウェーヴへと接近する。そのきっかけになったと思われるのがTALKING HEADS「Remain In Light」(80年)への参加だった。そこでパーマーが担当したのはパーカッションだったが、TALKING HEADSの音楽性に触れたことでニュー・ウェーヴに対する彼の意欲に火がつき、通算6作目の今作「Clues」で大胆な音楽的変化を打ち出すことになった
とある。
…えっ。
ととと、とーきんぐへっずぅぅぅぅぅ?????????!!!!!!!
と、一人大興奮。
なにせ学生時代、必修授業のあまりのつまらなさに、後ろの席をいいことにこそこそとずーっと聴いていたのがこの「Remain In Light」だったのです。皮肉なことにその授業は文化論的なやつだったのですが笑。さらに、バンドサークルに所属していた私は、ライブでもコピーしたほどトーキング・ヘッズが好きでした。
- アーティスト: Talking Heads
- 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
- 発売日: 1994/11/28
- メディア: CD
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えーっ、あんなに聴いていたのに知らなかった…
好きなアーティスト同士がお仕事してるなんて、最高じゃないですか…しかもトーキング・ヘッズの大名盤ですよ…?
家にあったはずのCDは引っ越しを機に実家に送ってしまったようで現物を確認できず。後日同僚とトーキング・ヘッズの話になり、これを持っているということで見せてもらうことに。
…ほんとだ、名前がある。「APPEARS COURTESY OF ISLAND RECORDS」とあるので、まず間違いなくパーマーさんでしょう。なんでなのよ、あぁたパーカッショニストじゃないでしょうよ……
いろいろと調べても、
80's UK New Wave:Remain in Light/Talking Heads
この方もおっしゃられているように、そのつながりを不思議に思っていました。
ですが、その答えはあっさりと見つかりました。
このLPの国内盤にあの東郷かおる子さんがライナーを書いているんですが、トーキングヘッズのティナ・ウェイマス(b)によるとナッソーのコンパス・ポイント・スタジオで何度かセッションをしていたと言っていた、との記述が。
パーマー氏が当時からよく使用していたのがコンパス・ポイント・スタジオ。なんならナッソーに住んでたし、「スタジオも近くていいんだ」とかって言ってた気がするぞ。また、この「Remain In Light」が作られたのもコンパス・ポイント・スタジオ。ちなみに「Clues」も同スタジオ作。
つまり、トーキング・ヘッズもパーマーさんも、使用していたスタジオが同じでよくセッションする間柄だったから、という結論。
…案外すぐに答えがわかってしまった……ていうかスタジオ一緒ってくらい気付けよ私……
家も近いならスタジオの主にでもなっていろんなところに顔を出していたに違いない。…大丈夫?うざがられてない…?(無用な心配)
ほかにもホセ・ロッシー*1さんという超絶パーカッショニストが参加しているようで、一体どの音がパーマーさんなのかはわからないのですが、「Crosseyed And Painless」(個人的に一番好きな曲)あたりのカウベルがパーマーさんなのかも…☆と思いを馳せて聴くとなんかロマンを感じざるを得ないです……良き………
どの音がパーマーさんかわかればさらに良いのですがね……
そんなこともあって、ニューウェーブに挑戦してできたのが「Clues」なんですね。後にシングルカットされる「Looking for clues」にはトーキング・ヘッズのドラマー、クリス・フランツが参加。パーマーさんが彼のベースドラムをいたく気に入ったからのようです。また、ゲイリー・ニューマンの「Cars」を気に入ったことからこのアルバムの参加のキッカケになったらしいし、イメージされる「女たらし」というよりは「人たらし」(褒め言葉です!)なのかなとか思ったりなんかしちゃったりして。パーマーさんの飽くなき探究心を感じます。本当に音楽が好きな人だったんだろうなあ。
ということで、「Remain In Light」を聴くことがあったらぜひパーカッションも意識して聴いてみてくださいね!