ハロー!ロバート・パーマー!

ブルーアイドソウルヴォーカリスト、ロバート・パーマーのファンブログ

メスとコスメとデステニー

Don't Explain

youtu.be

Don't explain

Don't explain

 

アルバムタイトルにもなっている「Don't Explain」についてひとりごとをつらつらと。

 
原曲はビリー・ホリデイ。1946年頃の作品かなあ。

youtu.be



 

ドント・エクスプレイン - Wikipedia


様々なアーティストにカバーされているようですが(私の好きなニーナ・シモンもカバーしているしRPの元同僚のエルキー・ブルックスもいる!)、やはり女性の歌なので女性が多い!その中で目立つパーマー氏。男性アーティストとして初めてカバーした人というわけではないけれど、いかんせん圧倒的多数の歌姫の中でちょっと特殊に見えます。

 

あんまり深く考えるところではないかもしれませんが、本来は「女→男」の歌。パーマー氏は男。男が女の歌を歌うということは珍しいことではないですけれどね。そういう曲はたくさんありますし。逆も然り。
f:id:allymam:20180426103408j:plain
私はこれを思い出します笑(なみだの操)

性別がどうだろうが間違いなくパーマーさんも気にしてません。なにせ「ティーンの歌をおっさんが歌ったら面白いのでは?」と「I Didn't Mean To Turn You On」という歌をカバーした人ですし。(これについては今後書くつもり。この曲もうめちゃくちゃ好き)

Robert Palmer - I Didn't Mean To Turn You On
サムネめっちゃかっこよくない?

 
d.hatena.ne.jp
対訳ノート(31)Don't Explain - INTERLUDE by 寺井珠重


この曲はビリー・ホリディの当時の旦那さんが襟元に口紅をつけて帰ってきて、それを指摘すると旦那が必死に弁明してきて"Don't explain!"と言ったことから着想を得て出来たもの。
なのでこの事実を理解していれば性別を逆にした解釈が通用しないのはよくわかります。

さて、自分が持っているCDの歌詞カード(多分初盤だと思う)は一人称が「俺」で訳されているんですね。しかも口紅の部分がどう訳されているかというと、

口紅の話は 忘れろよ

なんですよ。
上記のエピソードをまだ知らないときにこの歌詞カードを読んだんですけど、「言い訳するな」って言っておきながら「口紅のことは忘れろ」ってん…?どういうことなの…???となったのです。きっとこの訳者はこのエピソードを知らなかったのでしょう。私もこのことを調べるまで知りませんでした。
でもなんかもやっとしてしまったわけです。エピソードを知らなくてもこの訳者のように一人称を男にして訳せないものかと。
愚行なのは重々承知しておりますが、あくまで私の想像ですので、こういう感想もあるねそうだね、くらいで流してください…勝手に想像してもいいですよね。決してみなさんにこの考えを押し付けているのではないので…!


このエピソードをまんま活かして、男性側からのエピソードになるかといえば、無理でしょう。どう考えても悪いのは男だし言い訳するのは男側です。だから「口紅のことを忘れろ」というのはお門違いではないかと。

…そもそも、口紅のことを「忘れろ」っていう言い方がよくないのではないか、「Skip」を他の解釈で考えられないか……そこで元々の曲の翻訳です。「口紅のことはもういいから(止めて)」的な内容じゃないですか。すると「忘れろ」と「(その説明は)止めて」って受け止め方変わってきませんか。上記の設定を活かしつつ、性別を入れ替えればしっくりくると思うんです。浮気されたのは男、浮気したのは女。であれば、なんとかなるのでは…?

そして、この歌の肝となっているのが「口紅」なわけですよね。で、それが襟元についている「口紅」なんですよね。でもそれじゃあ男性の視点ではなりたたないわけですよね。でも直接的に襟元とは言ってないわけですよね。じゃあ男から見た「口紅」という現象について、どのようなことが考えられるか。


口紅=メイク と捉えたらどうでしょう。

……うん、なんのことかわからないって顔してますね。わかってます。無理がありますよね。

どういうことかといいますと、私の前提としてはこう。

”いつもとメイク(口紅)が違う”ので尋ねたら女の言い訳が始まった。

ので、「言い訳するなよ(Don't explain)メイク(口紅)のことはもう止めろ(Skip that lipstick)

……なら、どうでしょう。いけなくもないのでは?!無理やりでしょう??わかってます、わかってますよぉ~……



……いつもとメイクが違うからってなんなんだって?
いやいや、こと恋愛において身だしなみってかなり重要なポイントだと思うのですよ。
見た目にまつわる男女間の曲で思いつくのが、

youtu.be


上記、特別な人に会うときに妙に見た目について頑張っているのは女性のほうですね?男性側でこれを表現している歌ってありますかね。(あれば教えてください!)とにかく、女性が恋愛において見た目を意識する、という場面は表現されやすいわけです。ま、どっちも昔の人への歌なんですけど。
ayanie.hateblo.jp
これなんか恋愛における身だしなみへの意識が表れた結果なんだと思うんですよ。たぶん「その服で、元カノと会える?」なんてのは男性ファッション誌の特集にならないのでは。
つまり、浮気相手に会うときに、いつもと違う見た目=化粧にするっていうことはおおいにあり得る、そしてその変化を察知して、「もしかして浮気?」と疑うこともなくはないのでは…と言い聞かせています


それじゃあ「Skip that makeup」(化粧って言いたい。英語合ってないと思う)とかじゃない?となると思いますが、いやいやそのままじゃあ無粋でしょう。そこで比喩です。
これは日本だけなのかもしれませんが、やっぱり化粧といえば口紅、でしょう。
口紅 - Wikipedia

かつて春先の化粧品のキャンペーンや、プロモーション活動の中心商品といえば口紅であった。

 とあるように、メイクといえば「口紅」。画像検索(ゲッティとか)でも化粧している場面は多くが口紅を塗っているシーン。なので「口紅」でメイクを連想できなくもない。なくもない。
f:id:allymam:20180412121018j:plain
イメージ図

なので「Skip that lipstick(メイクについて言い訳するのはもういいよ)」という言い方になってもおかしくはないのでは。と言い聞かせています


…は?男がそんなメイクが変わったとか、そんなこと気付くかよ~?と思うでしょう、そうでしょう。この後の歌詞を読んでください。この人、めっちゃ「愛が重い」です。こんなにも「重い」人なら些細な化粧と心の変化くらい気付くのではないでしょうか。いや、そうであってくれ



はい、ということでそれでは2つの前提で翻訳を試みた結果です。これくらい相手のことを愛してみたいものです。緑文字は翻訳の先生Nagiさま(女性視点)、赤文字は私(男性視点)でございます。

Robert Palmer / Don't Explain


Hush, now.
黙ってくれ
Don’t explain.
言い訳はいいから
I know you raise cane.
大騒ぎするつもりなんでしょ
どうせ悪あがきだろう
Skip that lipstick.
あの口紅のことはもういいから
口紅(化粧)のことはもういい
Don’t explain.
説明は聞きたくない


Quiet, don’t explain.
黙って 説明は聞きたくない
静かに、もう何も言うな
You’re my joy and pain.
私の喜びも苦しみも全部あなたがいてくれてこそなの
君は喜びであり悲しみでもある
I’m glad you’re back.
帰ってきてくれてとても嬉しいよ
Don’t explain.
だから言い訳はやめてくれ


You know that I love you.
And what love endures all my thoughts are of you.
私があなたを
愛してるってことは分かるでしょ。
愛があるから我慢できるのよ。私が考えてるのは
あなたのことだけなんだから。

俺が君をどれだけ愛しているのかわかるだろう
愛しているから耐えられるんだ
いつも考えるのは君のことばかり



I’m so completely yours.
私は本当に完全にあなたのものなのよ
俺は何もかも君のもの
Try to hear folks chatter.
みんなの噂を聞いてごらんなさい
皆の噂話を聞いてみろよ
They say you cheat right or wrong don’t matter when I’m with you sweet.
みんなあなたが浮気してるって言ってるよ
(でもそれが) 当たってるかそうでないかなんて関係ない
あなたと一緒にいられるならね。いとしい人*1
彼らは君が浮気していると言う
でもそれが本当かどうか、一緒にいられるなら俺にとってはどうでもいい



Quiet, don’t explain.
黙って 言い訳は聞きたくない
静かに 説明は要らない
What is there to gain?
それで何か得るものがあって?
言い訳はもう無駄だよ
My life’s yours love.
私の人生はあなたのものよ いとしい人
俺の人生は君のもの
Don’t explain.
もう何も言わないで
もう何も言わないでくれ




…はい。めっちゃあがいた感じがわかりますよね笑。結局前提をちゃんと説明しないと一人称男視点では難しい曲でした……わかってました…わかってましたよ最初から!!!(涙)なんか女性っぽい言い回しになっている気がするなあ…まだまだ鍛錬が必要ですね


 

 話は変わって、この歌のパーマー氏について。鼻にかかったねっとりとした声で、ささやくように、情念たっぷりにこの曲を歌い上げています。そこがよりメンヘラさとか粘着質な男のじっとりとした様子が浮かんでくるような気がしてたまりません。ただしイケメンに限るって感じですが。
そこからすっかりクラシカルな音楽にハマってしまい、後に「Ridin' High」などというアルバムまで出してしまいますがそれはまた別の機会に。

 

 

こういう解釈で落ち着きましたが、実は、歌詞カードの翻訳を読んだ当初はお互い浮気はしてるけど、結局は君(あなた)が一番なんだっていう腐れ縁みたいなドロドロした歌なのかと思っていました。実際、ビリー・ホリデイもこの曲を作った時には浮気をしていたとか。
して、パーマー氏、確かこのアルバム発売翌年に離婚していたはず。そして亡くなるときまで一緒にいたという彼女(結婚はしていないのです)がこのアルバムで一緒に歌を作っています。ビリー・ホリデイと違って私生活を歌には持ち込まないような人ですが、もしかしたら……なにかあってのことなのかもしれません。


男女関係はいつの世も不思議なものであるなあ…(これが言いたかっただけでは)

*1:改行位置が不自然らしく、ネットで出てきた歌詞を利用されているそうです。→And they say you cheat / Right or wrong, don't matter / When I'm with you, sweet