アルファヴィルとパーマーさん
仲良くしている人に書き物の筋で働いている人がいまして。
どうすれば文章力がつくのかと問いかけたら「毎日とにかく書くこと」と返ってきました。
ブログを書くにあたって、結構行き当たりばったりで書いていたので「もう少し調べてから書かないとダメだな」なんて思っていたのですが、まだはじめたばかりだしファンになりたてで知らないことたくさんあるんだからこのままでいいや、と思った次第です。ちゃんとしたものはあとでまとめればいいのだし。成長過程を報告するのも悪くはないのでは。それも誠実なのでは。
ということで頑張って更新しよう、と思いました。
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はい、どうでもいい報告終わり。
先日ひょんなことからこんなことを知りました。
Sneakin Sally Through The AlleyのPVはゴダールのアルファヴィルのオマージュである
「Sneakin Sally Through The Alley」はパーマーさんのデビューシングルであり、同名タイトルがファーストアルバムになりました。
下着姿の女性を引っ張ってパーマーさんが駆け抜けていくワンシーンを切り取ったようなジャケット。逃避行中なのかしら?
このアイディアはグレアム・ヒューズという写真家によるもので、写真の彼女はヒューズ氏の知り合いと結婚したんだそうな*1
さて、そのジャケットの設定はしっかりとPVにも反映されていて、
パパラッチにひたすら追いかけられる、逃げる、というPVになっています。出てくる女性もジャケットと一緒かな?
実はこのVEVOしか見たことがなくて。
これを機にほかのPV探したら、
こんなんがあったんですね。それにこっちのほうがモノクロで忠実だ。
「Video Addictions」というPV集に収録されたバージョンのようで私はこのPV集について未見なんです。で、PV集、なんとパーマーさんが出てきてその曲についてコメントしてくれるんですよ。(ということだけ知っている)で、コレ見たら意味はわからないけど「アルファヴィル」って言ってるんですよね。やっぱり意識したんだ!
あと1988年7月のQ誌にも説明がなされている模様。いずれ手に入れて読もう。
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さてこのアルファヴィル、ヌーヴェルヴァーグの申し子ジャン=リュック・ゴダールの作品です。ってみなさんなら知ってるか。私は知りませんでした。ヌーヴェルヴァーグって単語はよく聞くけれどイマイチよくわからない(そして今も)。
スパイエージェントが未来都市「アルファヴィル」に潜入、そこの親玉である教授をひっ捕らえるか抹殺し、人工知能の破壊をもくろみ暗躍する…というSFストーリー。
頭があまりよろしくないので、あらすじを読まず映画を見たらちんぷんかんぷんだったように思いました、読んでおいてよかった…ぐすん
この映画の不思議なところって、銀河回線とか都市回線?いかにもSFチックな言葉が出てくるのに宇宙船とか光線銃とかが一切出てこないんです。他の惑星にいくのにハイウェイで行く。陸続きなのかよ!っていう。移動手段も自動車だし。でも、なんてことないパリの町並みなはずなのにどこか異世界のように見えてくる。そこにある町並みなはずなのに現実世界とは違う違和感を感じます。それが監督のマジックなんでしょうか。
さあさあ、どこがスニーキンサリーなのかなあと思って早速観ました。
親玉の娘(DVDジャケットの、右手をビャッ!ってやってる人)が出てきたときに、これが例の下着姿の女性ポジか?とか考えたりしちゃったりして。
(ネタバレも含むと思うので、ここからは閲覧注意でお願いしますね)
- 車で逃げる二人
ああ、スクショとかできれば楽だったのにな。まあいいや、後日気が向いたら。
パパラッチに付け回されるパーマーと女性の2人は、逃げるように車に乗り込みます。ネオンの光の中、走る車。でもなんだか全体的に暗いんです。どういうわけか。この感じ、映画に似てる。また、車の後ろにつけてシャッターを切るようなカットが入るんですが、こういうつなげ方もなんかゴダールっぽい???
- トンネルを走る二人
LPのジャケットの撮影場所は、ロンドンのヒースロー空港に続くトンネルの中とのこと。PVも同じところなのでしょうか。妙に暗くて街頭だけがぼやーっと光っています。
映画では……感情を持たないように洗脳されているアルファヴィルの人々。ヒロインである教授の娘ももちろんその一人。だけどもエージェントに出会ってしまい「愛」という気持ちに気付いてしまいます。無事(?)エージェントが親玉を懲らしめますが、親玉が町全体の機能(兼頭脳?)を果たしていたのか、人々は頭脳を失いなんだか動作がおかしくなってしまいます。彼女の想いを受け取ったエージェントは「愛を思い出せ」と彼女に呼びかけ、少しばかり正気を取り戻す娘。そして二人で外の世界へと逃げ出します。さあ、クライマックスであるそのシーン。トンネルではないのですが、まっすぐな暗い廊下にぼやーっと浮かぶ照明。その中を二人が駆け抜けて行きます(駆け抜けるほど走ってはいないのですが)
なんだかこの2つが似ている気がするんですよねえ。
- ぶれぶれのカメラワーク
正直、PVカメラワークがぶれまくりで見にくくないですか?
パパラッチのようなリアルタイム感を出すためだとおもうのですが…
こういう撮り方、どうもゴダールが先駆者らしいんですね。それもそういうのは当時の映画手法には無かったらしく、革命だったみたい。今は普通だけど、というのを生み出したのがこの人なんですね。すげーや。
たぶん映画にも詳しければもっといろんな見方ができるのだろうけど、とりあえず今私がわかるのはここまで。研究材料が増えちゃうなあ~
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【ご参考】
ゴダールはなぜすごいのか? 映画史における“ヌーヴェルヴァーグ”の功績を解説 - ログミー
ゴダール「アルファヴィル」を観る
ジャン=リュック・ゴダール - Wikipedia
*1:夜明けの笛吹きさんより。サイトちゃんと見られないので気になる方は調べてみてください