ハロー!ロバート・パーマー!

ブルーアイドソウルヴォーカリスト、ロバート・パーマーのファンブログ

パワーステーションサウンド

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The Power Station / Some Like It Hot


数ヶ月前の話。
友人とパワー・ステーションの話になったのですが、彼女がたまたま見たベストヒットUSA小林克也氏がパワステについて言及していたらしく、ドラムはすっご~く広い部屋*1で演奏していてその残響ごと録音しているらしいとのこと。はえ~そうなんだ。(ちなみに広い部屋での録音はzepのボンゾが先駆けてやっていたらしい)


ドラムはシックのトニー・トンプソン。見た目は人の良さそうなお兄さんって感じ。しかし演奏はパワフル。ハードファンク(そんなジャンルがあるのかわからないけど)で喉の奥にずっしりくるようなドラミング。張り手じゃなくてグーで腹を殴られるような、そんなスネアの音がします。(わかるのかこの例えで笑)




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そもそも本人のテクニックもあるでしょうが、この特徴的なドラムはゲートリバーブという処理がされているようで。


80's UK New Wave:The Power Station/The Power Station


これにも。




ゲートリバーブというのは随分大胆な処理だったらしく、あえて残響バーブ)音をぶった切ってゲート)いるんだとか。たしかにぶつ切り感はある。
実は私、「Some like it hot」のイントロは打ち込みなんだと思ってました。たぶんそういう処理をしてるから打ち込みに聴こえてたんだろうなあ。こんな処理した仕事人はパワーステーションスタジオのエンジニア Jason Corsaro という人らしい。のちにこのサウンドは「パワーステーションサウンド」と呼ばれるようになったとか。スタジオから生み出されたのでこの名前なのか、バンドでこの音を効果的に使ったのでこの名前になったのかはわからない。




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ゲートリバーブの音を言語化するとしたら「パシーッ」(聞こえ方には個人差があります)




そしてこの処理が俗に言う80'sサウンドらしい。ふむふむ。
そういえば初めてパワステを聴いたとき(中2)、とっても怖い感じがしたんですよ。それって、人工的な処理をされている音=不自然な音として認識していたからなのかもしれないと今思った。それを感じ取って怖いと思っていたなら、私の耳繊細じゃん…?


今はこれがすっかりクセになって「ソリッドで緊張感があって良き…」とか言っちゃう人になっちゃった……
こういうサウンドが80sであるとして、結構ダサいと言われがちなんですけど、私としてはこれをダサいと片付けてしまうのは非常~にもったいない気がしています。流行ではないと言われればそれまでなんですけど、こういう音、非常に好きです。
先輩や知り合いなどに「恋におぼれて」を聴かせたら「わ~80年代だね~」と同じこと言われたので、自分の耳が慣れてしまってこういう音を聴いてもなんとも思わなくなっていることに気付きました…。


とはいえ、個人的にダサいな~と思うのはこういう処理よりシンセの音のほうに感じることが多いです。あと90年代の、なんていうんだろう、わからないんだけれど…何かをダサいと感じています。


ちなみにゲートリバーブについてよくわかるのがフィル・コリンズなんだって。


Phil Collins / In the Air Tonight
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腹を殴るよりは力士の張り手系かなあ


Philip Bailey & Phil Collins / Easy Lover
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個人的に好きな曲。パシーッしてます


ゲートリバーブという処理は彼らよりも前にYMOやイエス(Owner of a lonely heart)でも取り入れられていたらしい。この音処理の話、なんかとっても面白いので今後も(個人的に)研究していきたい!80'sはダサくない!ダサいけど!






ちなみに(独断と偏見による私のための) めっちゃかっこいいドラムイントロ3選はこのSome like it hotとグランド・ファンク・レイルロードのWe’re an american band。もうひとつはスティーヴィー・ワンダーのSuperstitionです!

*1:おそらくパワーステーションスタジオのことだったんだと思う